突然の事故で“普通の生活”から切り離される絶望、「私」ではない意識に体を動かされる奇妙な感覚、日常を取り戻した先に待つさらなる壁……。
事故で脳挫傷を負った作者によるノンフィクション漫画『交通事故で頭を強打したらどうなるか?』(KADOKAWA/著・大和ハジメ)が3月30日に発売されました。作者自身の強烈な体験を元につづられた同作は、人間という生き物がいかに脆く、そして強いかを教えてくれます。
ノンフィクション漫画『交通事故で頭を強打したらどうなるか?』ストーリー
作者の大和ハジメさんは、19歳でトラックにはねられ意識不明の重体に陥りました。奇跡的に病院で意識を取り戻した作者ですが、家族の話とおぼろげな記憶を照合するうちに奇妙な感覚に陥ります。「私は“私”でない時も動いていた?」
物語の前半では、作者が“19歳の意識”を取り戻すまでのエピソードが家族の視点から描かれます。事故から目覚めた当初、作者の精神は子供時代まで退行していました。幼児のように本能的に行動し、意識や記憶は喪失している。家族は動き回る作者に喜びながらも、言いようのない不安に苛まれていきます。
その後はっきりと意識が回復した作者は、事故にあう以前の“普通の生活”に戻ろうとします。ですが大学に戻った作者を待っていたのは、さらなる絶望でした。脳障害の影響で授業に全くついていけないのです。日本語を話しているはずの教授の言葉が理解できない。「ああーーこの世界は“健常者用”にできているのだ」と、作者は自分の置かれた状況をあらためて理解します。
それでも作者は立ち直り、必死の努力で大学を卒業。社会人として「とある目標」を叶えるために邁進していきます。最後には表題である「交通事故で頭を強打したらどうなるか?」という問いに対し、ひとつの答えを見出すのでした。
勇気が湧く不思議な読後感
作者はあとがきで「事故のことはずっと考えないようにしていた。記憶にフタをし、目の前のことだけを考えて生きてきた」「そう、私は逃げてばかりだ。創作を始めた理由だって、そうしないと自分が潰れてしまうからにすぎない」と語っています。ですが事故にあったばかりの作者が幼児退行で心を守ったように、「逃走」もまた生命を守るため備わった機能にほかなりません。
交通事故により一瞬で人生を狂わされてしまう脆い肉体と、それでも営みを取り戻そうとするしなやかな精神。『交通事故で頭を強打したらどうなるか?』には、生物としての「人間」が抱える根源的な強さと弱さが描かれています。「もしも自分や、自分の大切な人が事故にあったら」と薄ら寒くなり、「どんな不幸に見舞われても何とかなるのかもしれない」と勇気が湧いてくる。そんな不思議な読後感が味わえる漫画です。
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参照元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190518-00000005-it_nlab-life
ネットの声
だから、彼らが勝ち組とか幸せなる者とは限らない。苦しんだり、いろいろ破綻寸前だったりしてるからこそ産み出てくるわけだからして・・。漱石とか草間弥生さんとか見てるとね。
でもそこから出てくる上澄みというかダシというかを味わえる我々はありがたい・・が。
もともと成績で目立ってた印象は無かったんですけど。
あれは覚醒だったのでしょうかね??
話が出来るようになっても初めは自分の幼い頃のことしか覚えていなかったようで、自分の母親が亡くなっていることも忘れていたから知らされた時はかなり落ち込んだらしい。
それから10年以上経った今は、普通の日常生活は送れているが、感情の起伏が激しく子どものようになった。
脳って本当に不思議…。
親も他人みたいで
皆んなが自分を変だと言う
自分を演じて生きる事が辛かったから県外に出た
人生って一度狂ったら結構大変だよね。
我が子がこのような状態になったら母親としてどう捉え接していくかを考えながら読み、すっかりお母様に感情移入してしまいました
その後も読んでみたいと思います
後遺症としては知的には偏差値70超の人だけど、時々我慢できなくなってキレる。
「脳が疲弊した」という表現をするので、夫のための賃貸物件を借りて、我慢ができない時はそちらで過ごせるようにしている。
そこで無音で無干渉で脳を休めている。
夫は人体について専門家なので、自分の状態は把握しているようだが、症状がひどくなったのは40半ばから。
何十年後に出る後遺症もあると理解しているが、出会った頃の夫とは別人のこともある。
交通事故は生活の質を低下させる。
読み入ってしまった。
当たり前のようにやってきた事に違和感や疑問を感じて、今まで見えなかった別の切り口とも言えるような方向が見え始めて、そこから物事を考えてるようにも思えるな~。これを「目覚めた」って言うのか?・・・な。話が噛みあわないっていうのが、ちょっと不気味だな。
一緒に飲んでた人の話だと突然棒が倒れるように無防備な体勢で倒れてパコンという音を立て後頭部を強打して動かなくなったそうです。
医者いわく座敷席であぐらをかいて飲んでいると立ち上がった時の急激な血圧低下で意識がなくなる症状で、意識が戻っても頭を打っているとそのまま死んじゃう人も多いとの事。
病院に搬送されてナースセンター横のICUに寝かされ家族も呼ばれちゃって「大げさな」と思いつつ自分の心電図などのモニター画面を見ているのは妙な気分でした。
次の日に精密検査した所、クモ膜下出血と、後頭部を打ったのになぜか前頭葉の脳挫傷で思ったより重症でしたが意識も記憶もはっきりしていて、寛解後に脳のチェックのため受けた国家資格が20代で受からなかったのに合格したりして脳は本当に不思議な器官です。
本になったんですね。
まさに、知らない世界でした。よく漫画にしてくれたなって感じです。
それからは作詞作曲したり墨彩画など創作が止まりません。
ご本人は、まだまだ大変でしょうが、新しい自分を受け止められますように。
飯塚幸三や大津のおばさんに轢き殺された人々は、本当にかわいそう。。。
運転中に右足が自分で判断して勝手にブレーキ踏んでくれるのは助かってるけど、トイレ以外の用事で無闇に動き回られるのは困るな
その三ヶ月間、普通に話したりしてたのに。
きっとこのマンガでい言うところの「脳が目覚めた」前のことを、この人とは違って全て忘れちゃったってことだよね。
会社で昼寝してるときは注意せねば・・
人間の脳の機能はほんの一部しか解明されてないと聞くけど、驚くような能力をみんな持ってるのかな
まさか書籍化してるとは……
ぼーっとしてる感じで
そんなに頭良くなかったのに
鉄棒から落ちて頭打って一瞬記憶が飛んでた
その後学年で1~2を争う秀才になった
子供アニメをみて、幼児のような言葉遣いに。
しかし、
放射線治療受けたら
元どおりに。
幼児になったことは、全く覚えておらず。
幼児の父も可愛くて好きでした。
生きていてくれるのが
一番嬉しい
怖い
私は、頭打ってもないですが
得意中の得意な、パズルゲームがある日突然
できなくなった、やり方がわからなくなって
超初歩的なとこから、進めなくなった
なぜかは、わからないんだけど
骨折もしてません。
よく見たらあまりにも壮絶な体験をなさってるのですね…
「こーなるよ」と思わせてはいけません。
元々なのか、分からないけどかなり怖い。
話はなかなか良かったけど。
俺も聴覚は死ぬまで正常だとか聞いてたから、いる間はずっと話しかけてたけど、意識が回復した時に何か聞こえてたか?って尋ねたら、なんにも聞こえてない!って言われたわ
倒れたことすら覚えてなかった
信じれば救われるのは自分であって世界ではない。
それを堂々と語りながら布教活動しているっておかしな話だ。
神がもしそれを許すならそれは神ではなく自分自身だろう。
あなたの脳で見ているこの世界はあなただけの世界で、本当の世界はそんな形をしていないんだ。
明日隅田川に来ればその姿が見える。
特に雨降り前は強烈に背中が凝る。
一生続くから、かなわん。
管理人の率直な感想
「どうしよう、脳が目覚めた」という表現も凄いですが、皆さんの体験談も凄いですね。
全員に当て嵌まることじゃありませんが、頭を強打し、何かを失う代わりに不思議なものを得るケースがある。
自分であって自分じゃない。
自分じゃない時も自分は動いていた・・・。
実に不思議です。
自分が実際に体験するか、こういった実体験をもとに知るしかない。
脳挫傷なんて真っ平ごめんですが。
脳の不思議。
それを実際に体験していたいという奇妙な好奇心が無いと言ったら嘘になりますが、命あっての物種。
限りなく非現実的ですが、ジョジョのスタンド能力のような力が手に入るかもしれない。
・・・漫画の読みすぎですね。
この作品も漫画ですけど。
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