「棺の中からノック音やうめき声」交通事故死、死刑、霊安室…死者が生き返る現象

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日本では死後24時間以内の埋葬・火葬は法律で禁じられているが、コロナ禍で厚労省は死者からの感染防止の観点から「24時間以内の火葬も可」とした。ジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳さんは「この4月、ペルーで死亡診断された36歳女性が葬儀の際、息を吹き返したことがニュースになりました。日本で死後の葬送の前倒し化や簡素化が増え、万が一の事態を見逃してしまうおそれもあるのではないか」という――。

■交通事故死した36歳女性が眠る棺からノック音が……

葬儀中に“死者”が生き返った――。

ホラー映画さながらのニュースが南米ペルーで報じられ、現地では大きな騒ぎになっている。過去には死亡診断後、息を吹き返す事例はしばしば起きていた。そのため、日本では死亡診断後24時間以内での火葬を法律で禁止している。

近年でも死亡診断後の蘇生例がある。コロナ感染症における死の局面では「火葬の24時間規定」が特例的に外されたが、ごくわずかに残る蘇生の可能性を排除できないのが現実である。

南米におけるこの信じがたいニュースは4月25日、ペルー北部の都市ランバイエケで起きた。36歳の女性が重大な交通事故に巻き込まれ、死亡診断と検死がなされた。完全に死亡したものとして扱われた彼女は、およそ丸1日、遺体安置所に置かれ、そして26日に親類縁者を集めた葬儀が営まれた。

儀式が終わって埋葬地に向かう出棺の際のこと。親族が棺を持ち上げたその時、中から棺をノックする音が聞こえた。驚いた親族が棺を開けてみると、女性は弱々しい状態であったが目を動かし、棺を取り囲んでいる人々を見回したという。汗もかいていた。とたんに葬儀会場は大騒ぎになった。

女性は棺に入ったまま、トラックで病院に運ばれ、生命維持装置に繋がれた。医師が「呼吸」「体温」「血圧」「脈拍」のバイタルサイン(生命の兆候を示す指標)を測定すると、低いレベルではあるものの、彼女が生きていることが確認された。だが、容体は改善することなく、数時間後「正式に」死亡した。

この葬儀の様子はスマホで撮影されており、ニュースで報じられた。本当は昏睡(こんすい)状態だったのに見落とし、安易に死亡宣告がなされたとして、遺族は病院などに対して原因究明を求めている。

■法律に残る痕跡、日本でも「黄泉がえり」があった

現地の病院や警察の杜撰さが露呈したものであるが、調べてみると死者が生き返った事例はインドなどではよくみられる。インドのスラムではまともな治療が受けられず、医師によって雑に死亡宣告された後には、すぐ埋葬されたり火葬されたりするケースが多い。高温になるインドでは、遺体の腐敗が急速に進んでしまうからだ。だが、その埋葬中や火葬中に声を発したり、遺体が動き出したりする事例は決して、少なくはない。

さすがに日本では、このような事例はないと思われる。だが、墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)の以下の条文が過去に「黄泉がえり」があったことを示唆している。

———-
第3条[24時間以内の埋葬又は火葬の禁止]
埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行なってはならない。但し、妊娠7カ月に満たない死産のときは、この限りではない。
———-

墓埋法第3条は、死亡診断がなされた後に蘇生する可能性を限りなく排除するためのバッファ・タイムとして、死亡24時間以内に火葬することを禁止しているものである。裏を返せば、過去に蘇生した人物がいたということなのだ。

たとえば、そのひとつに1872(明治5)年に愛媛県でおきた「田中藤作蘇生事件」がある。

折しも当地で一揆が勃発した。租税事務所が放火され、当時31歳の田中藤作が逮捕された。田中には死刑判決が出され、彼は絞首刑に処せられた。滞りなく処刑された田中の遺体は棺桶に入れられ、遺族に引き渡された。

故郷に戻る道中でのこと。にわかに棺の中からうめき声が聞こえてきた。その後、田中は救出され、完全に蘇生。その後26年間、生きたという。

この時、田中の扱いについて当局は困惑した。再び処刑にかける議論もあったようだが、最終的には政府が「スデニ絞罪処刑後蘇生ス、マタ論ズベキナシ 直チニ本本籍ニ編入スベシ」とする方針を出し、田中を釈放した。

田中は戸籍に復帰した。政府は、処刑そのものは終わったのだから、仮に生き返った場合は放免、という判断をしたのだ。絞首刑後、蘇生した例は他にも数例ある。



■2000年11月@大阪、霊安室の男性が息を吹き返した

近年における蘇生例は、2000年11月に大阪の病院の霊安室に入れた男性が、実は生きていた事件がある。

大阪市西成区で65歳の男性が、心停止状態で発見された。救急隊が駆けつけた時には、既に心肺停止状態であった。病院でも心臓マッサージなどが施されたが、瞳孔の拡大などもみられ、医師は死亡診断。しかし、そのおよそ30分後、警察署員が霊安室に入ったところ、男性は息を吹きかえしていたといいう。男性は昏睡状態のまま、その4日後に死亡した。

この事件を受け11月20日付の毎日新聞朝刊では、日本救急医学学会前会長のコメントを掲載。そこでは、「心停止して瞳孔が拡大しても、数分間は蘇生の可能性がある。蘇生措置をしてから多少時間をおいて、心臓が動き出すこともありうる」と述べている。人間の生命は、時に奇跡を起こす。

知床半島沖における観光船海難事故でもみられたように近年、メディアでは「心肺停止状態で発見」「意識不明状態で発見」という表現が増えている。その理由には、AED(自動体外式除細動器)などの普及による蘇生の可能性が増えてきたことや、医師による死亡診断が確実に行われない限りは「ひょっとして」という可能性が排除できないためである。

ところが2018年3月には神戸市で、死後16時間で火葬していたミスが判明した。原因は葬儀社が火葬の予約時、誤って死亡日時を記入したためだった。このようにしてみれば、墓埋法3条の「24時間を経過してからの火葬ルール」も納得するものである。

しかし、ここ2年間にわたるコロナ禍においては、コロナで亡くなった人に対して24時間以内での火葬が認められている。墓埋法では、「他の法令に別段の定があるものを除く」と明記されており、これは主に感染症の蔓延(まんえん)防止の観点で適用される。

厚生労働省は2020年7月、新型コロナウイルス感染症での死亡時の遺体の扱いや葬儀、火葬に関するガイドラインを発表している。それによると、「24時間以内に火葬することができるが、必須ではない」としている。

平時であれば死亡後、枕経や通夜や葬儀・告別式を実施することが多いため、必然的に火葬までには数日を要する。しかし、とくにコロナ初年の2020年は、コロナ感染者の遺体からも感染する可能性が示唆された影響で死亡後は、すぐ火葬にする「骨葬」にする事例が出てきた。骨葬とは先に荼毘(だび)にふし、遺骨になった状態で葬式を実施することである。

また、コロナ禍を背景にして、葬式をしない火葬だけの「直葬」や、一連の儀式を1日で終える「一日葬」が増えている。こうした葬送の簡素化が増えていけば、ペルーの事例のように「万が一の事態」が起こりうることも懸念されるが、火葬炉の扉が閉まってからではどうしようもない。火葬炉の内側からノックの音がすることなど、あまり考えたくないことではあるが……。

参照元:https://president.jp/articles/-/57419

みなさんの声

名無しさん
土葬にされた遺体が蘇生するのは時々ある事。
中には妊婦が赤ちゃんを産んだ例もあるし、サスペンスドラマのネタにも使われている。
名無しさん
死後の身体の変化によって胎児が押し出されるケースはあるらしい。
名無しさん
墓場の鬼太郎!?


名無しさん
昔は、土葬された方が、柩の中で目を覚まし、自力で戻ってきたなんて話を聞きました。
「脳死は人の死」とする臓器移植が進まなかった背景にも、「突然意識が戻る」という可能性が排除できなかったからでしょう。
確かに戦争中や大規模な自然災害後、感染症のパンデミック等で死体の処理が間に合わない場合、衛生環境の維持という面や処理能力を勘案して火葬の時間が早まることはあると思います。
現実的な問題もあるでしょうが、できる限り慎重に行って欲しいです。
名無しさん
お通夜で寝ずの番する風習はそれなりの理由があるんだから、端折らない方が良いと思うけど。
名無しさん
帰ってきたヨッパライを連想するなぁ
ドラマでは三浦友和が冤罪で死刑になったが、生き返って真犯人を探す…というのがありました。
スケバン刑事では執行はされなかったが戸籍復帰はできないと説明してたような。基本は。
まぁ心肺停止なんてあてにならんわ。
心肺停止状態で発見されたが、その後意識を取り戻し…なんてのはよくあるし、そのために蘇生行為をやるんだから。
名無しさん
海外でも心臓拍動停止、呼吸停止、瞳孔散大・対光反射停止の3つでやっているのかな?
まぁ、それでも可能性が有るから24時間の間を開けているんだろうけど。
ただ、可能性の話をしていたら逆に大変な事になりそう。
名無しさん
生き返ったら困るから、直ぐ火葬しましょう。
死の定義は本来難しい筈だけどね。
ゾンビは生きているのか?


名無しさん
要は、死亡診断の確実度。
これが確実なのであれば、24時間などという規定は不要になる。
まだ一抹の不安があるのであれば、24時間待つ方が良いだろう。
でも、脳死臓器移植などが現に行われているんだから、死亡診断に一抹の不安なんて、あってもらっちゃ困るぞ。
名無しさん
帰ってきたウルトラマンは郷秀樹の死体にウルトラマンが憑依し、郷秀樹は生き返りました。
病院で完全に死亡が確認されていたので死体です。
郷秀樹は最後はウルトラマンと分離することなく光の国へ行きました。
初代ウルトラマンも死亡したハヤタ隊員とウルトラマンが命をシェアする、という形でハヤタ隊員が生き返りました。
ハヤタ隊員は最後はウルトラマンと分離して地球に残りました。
ウルトラマンもゼットンにやられて死んでましたが、ゾフィが命を二個持ってきていて、それぞれに与えました。
名無しさん
実際に、医療が未発達な時代には、仮死状態の人を死んだと誤診して葬ってしまった「早すぎる埋葬」はあったそうです。
24時間以内は禁じると言うのも、万一の誤診も防ぐ意味があるのだろう。
名無しさん
心停止後の蘇生の確率は一分一秒を争うレベルで10分を超えると限りなく0になる。
例え24時間後に蘇生したとしたらどんな奇跡なのだろうか。
名無しさん
海外で、葬儀中に亡くなった本人が参列しに来たって話があったな。じゃあ墓の中にいるのは誰なんだって言う。
行方不明者を捜索していたら、捜索メンバーに当人が参加してたってこともあったなが。


名無しさん
日本の法律上死んでから24時間立たないと火葬できないので杞憂ではないかと思います。
名無しさん
生き返るとかは別として、感染予防の観点からっていうところに違和感をおぼえた。しかも厚労省の決定で。
名無しさん
家族八景の亡母渇仰を昔読んだけど、ラストがえげつなかったなー。
名無しさん
心肺が再び動きだしても、脳の酸欠はずいぶん長い間あっただろうし、それなのにこの田中死刑囚のように蘇生後十数年も再び日常生活が出来るのだろうか。まあ、当時の医学、というかただ死亡確認だけだろうから、完全にこと切れていなかったのかもしれないからもしかしたら生きながらえたのかもしれないが、現代の蘇生例ではどうなんだろう。最低でも数時間後、酸欠で脳も死んだ状態で蘇生した例があるのだろうか。もちろん、その後植物状態ではなくという意味で。
名無しさん
昏睡か既に死亡しているかは、心房の鼓動を確認しないとわからないだろうけど、今の医療技術がある中で、誤判断なんて本当にあるのか疑問。
遺体焼却中はスルメみたいに腰とかが曲がることがあり、それが身体が起きた様に見えることもあるらしい。


名無しさん
インドのスラムの事情、怖いなあ。
去年か一昨年?インドで沢山のコロナ死者が出て、火葬場が足りず、外で沢山の遺体を火葬しているニュースを見ましたが、あの中にも生きていた人がいたんじゃないかと考えてしまった。
名無しさん
でもどうせ焼き場が混んでて1週間ぐらい放置されるから…
地方とかではスムーズに24時間以内に火葬できたりするのかな?
名無しさん
医師が死亡判断したら信じるしか無い
万一息を吹き返す可能性を考えたらキリが無くなる。ただ生き返って意識がある状態で焼かれたら、自分の身に何が起きたか理解出来ず成仏出来ないね
名無しさん
正直に言うが、処刑後に息を吹き返した死刑囚に関してはとどめを刺して欲しいと思う。
名無しさん
小さい頃に見た世にも奇妙な物語で高校生の男の子が死んだふり?か何かをして、お葬式を行って本当に火葬されちゃった話が凄いトラウマ。
心配で怖くて母親に何度も生きたまま焼かれないかを聞いてました。
生きたまま火葬だけはされたくないなぁ…。


名無しさん
火葬炉に入っちゃって点火されたら、生きていたとしても、もうどうにもならないんじゃないのかな?
あぁ!
想像するだけでも恐ろしい・・・。
名無しさん
しかしこの記事の中の死刑執行後に蘇生してその後26年生きた人にはおどろき。
名無しさん
火葬の際にたまに声とか聞こえるらしいね。ただ急いで止めて出しても手遅れだしそのまま行くらしい
名無しさん
インビジブル
名無しさん
都合の悪いことがわかる前に証拠隠滅ですか。
日本が終わってくのが悲しい。


名無しさん
クソな時代に生き返って何になる。生き返ってまで苦労せんでいいやろ。
名無しさん
生きたまま焼かれるのは嫌だな
名無しさん
証拠隠滅の為だから許可してんでしょ




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