Wさん(39歳、女性)は「5年前から、身体のあちこちが痛くって、だるくて、眠れないんです。ネットで線維筋痛症のことを知って」として、私の外来を受診された。
線維筋痛症(fibromyalgia:FM)とは、慢性的な全身の痛み(痛む部位を押さえると特徴的な圧痛がある)とこわばりに加えて、倦怠(けんたい)感、睡眠障害、「過敏性腸症候群」「過活動膀胱(ぼうこう)」「逆流性食道炎」「ドライアイ」「ドライマウス」などを随伴する病気である。微熱を伴うこともあり、女性の患者さんでは「間質性膀胱炎」の合併が報告されている。さらには「天気痛」としての側面も持ち、特に梅雨時に症状が増悪すると考えられている。重症例では、爪を切る際のわずかな振動が刺激となって痛みを引き起こしてしまうこともある。その病像は複雑であり、診断、治療に関するエビデンスが十分には蓄積されていないことから、医療者側でも認識度は低い。
わが国でも推定患者200万人
欧米では、人口の約2%の方がこのFMに苦しんでいるとするデータがある。わが国では、患者数は人口の約1.7%(200万人)と推定されている。中年女性に発症することが多い。
パトグラフィー(病跡学)の本をひもといてみると、「人間喜劇」の連作を書き続けていたころのバルザック、多額の負債を抱えていたころの画家エドガ-・ドガなどがFMに苦しんでいたとされている。
全身に痛みがある場合には、まず「関節リウマチ」が疑われるが、このFMでは血液検査、レントゲンで異常がみられることはなく、筋電図や筋肉の酵素にも問題点はみつからない。したがって、現時点ではその原因は不明であり、「自律神経失調症」「更年期障害」などとして片付けてしまわれることもあるようだ。多くの患者さんがドクターショッピングを繰り返しておられるのが現状である。
周囲から理解されない
線維筋痛症の発症には心因性の要素が大きく関与していることは事実だろう。この点を裏付けるように、患者さんの多くが発症時に過労、何らかのトラブルによるストレス(対人関係や家庭内での)を抱えていたとするデータがある。さらには痛みがあるものの、診断に至る客観的証拠が存在しないことから、社会や周囲の人達から理解されない。こうしたことの積み重ねが病状を進行させ、ストレスを増幅し精神的に追い詰めてしまうのである。
本症に関する概念は古く、1900年代初頭には「結合織炎」であるととらえられていた。その後、1990年には米国リウマチ学会が診断基準を策定し、さらに2010年には新たな基準を発表した。この新基準では広範囲疼痛(とうつう)指数(wide-spread pain indexと呼ぶ)と、疲労感などの身体症候重症度(symptom severity)の合計ポイントを基準としている。しかし、これらのポイントは患者さんの主観によるものであり、客観的評価とは言えない。なお、広範囲疼痛指数とは単なる圧痛点(押すと痛みを感じる場所)を指しており、ほかの病気で見られる疼痛誘発点(関連痛を生じる)とは明らかに異なっている。
診断にあたっては、他の病気を除外しておくことが出発点となる。前述の関節リウマチをはじめ「シェーグレン症候群」「脊椎関節炎」「リウマチ性多発筋痛症」「皮膚筋炎」「多発性筋炎」、加えて「心身症」などの心療内科的疾患である。
治療法は確立されていないが、筋肉内に硬結(病的に固くなった箇所、東洋医学でいうツボに一致することが多い)があり、同部に圧痛点を有することから、私の施設では局所注射(局所麻酔薬を用いる)を第1選択としている。Wさんにも局所注射を繰り返して行ったところ、「痛い箇所が減少し、痛みの程度も軽くなった」とのことである。
ストレス抱え込むタイプ多い
わずかな刺激でも強い痛みとして感じてしまう中枢神経系の異常(痛覚域値(いきち)の低下)が関与していると考えられることから、抗うつ薬が広く用いられてきたが、2012年には神経障害性疼痛の治療薬であるプレガバリン(リリカ)、2015年には抗うつ薬の仲間であるデュロキセチン(サインバルタ)が保険適用の対象となった。はり治療や、「柴苓湯(さいれいとう)」、「 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」などの漢方薬の投与も効果的である。ドイツの外科医バウアーは、筋肉内の硬結の外科的切除を勧めているが、多くの硬結が腱(けん)の起始部に存在することから安易に行うべきではないだろう。
ストレスを抱え込んでしまうタイプの患者さんが多いことからも、軽い運動を心がけ、リラックスすることが重要である。家族の精神的サポートが必要なことは言うまでもない。心療内科や精神科でのカウンセリングも有用なことがある。
参照元:https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20220707-OYTET50000/
みなさんの体験談
調べれば調べるほど認めたくなくて痛くて辛くて生地獄でした。
何件、病院をまわったことか。めんどくさい患者と思われたことか。
最終的に良い先生に巡り会えて薬を服用し現在はほぼ寛解しました。
まだ一部痛み?か違和感は残っているけど2年前では考えられない普通の生活が出来ています。
今、痛くて死にたいほど辛い人がいるかもしれないけど治ると信じてください。
希望は捨てないで。
とりあえず漢方を試してみたい
痛いほどや、生活できない状態じゃないけど、全部ある
それぞれがかかってそれぞれ薬出してもらったら肝臓悪くしそう
線維筋痛症(fibromyalgia:FM)とは、慢性的な全身の痛み(痛む部位を押さえると特徴的な圧痛がある)とこわばりに加えて、倦怠(けんたい)感、睡眠障害、「過敏性腸症候群」「過活動膀胱(ぼうこう)」「逆流性食道炎」「ドライアイ」「ドライマウス」などを随伴する病気である
私は寛解まで5年ほどかかったけど、それまではまさに生き地獄でした。
でも不治の病ではないので、今苦しんでいる人も希望は捨てないで欲しい。
アタシもワクチン後、血管炎、リウマチ、線維筋痛症になったよ。
痛いってもんじゃない。
少しでも動くと全身激痛なんだから。
全身痛くて起き上がるときも補助がないと起き上がれなかったし、階段も降りられない、包丁も握れなくて、立っていられなくて食事の支度も出来なかった。
生活もままならなかったわ。
ストレスや責任感強くムダに体にいつも力が入っています。
力抜くのがうまくできません。
もっとラクに生きれたら自然と治るのかな?と思いながら通院中です。
素人だからヨケイニ
ネットの自己診断を疎ましく思う医者もいるから、この病気と症状が似てるんですけど…って言えば違うのかそうかのかすぐわかるけどなかなか言えない
紹介状なしでも手数料?払えば診てくれる大きめの病院に最初から向かうのがいいのかな
よく線維筋痛症はストレスや精神的なダメージありきで語られる事が多いですが、私の場合では、ストレスや身体的な疲労が溜まっている状態でさらに風邪をひいているうちに筋肉痛と痛みと疲労感が何をしても治らなくなったという感じです。つまり疲労困憊な体で病気をすることでいつの間にか痛みと疲労感で日常生活が困難になったという…。
疲労困憊に至るまでに精神的なストレスを伴うのでストレスも重要な要素だが感染症の治り具合などが引き金になっているのではないか?最近のコロナ後遺症の諸症状が私の初期症状に似てると思うにつけ、そのあたりの研究が進んで解明されてほしいと思っています。
セロトニンは本当に大切。
幼い頃の生育環境が大きく影響することも知れ渡って欲しい。
自己免疫疾患の異常により末梢神経に支障が出て、私の場合、両手両腕が痺れ、痛み、脱力感など、ほぼ使い物になりません。
事務職なので、パソコンや作業など、手を使う仕事ばかりで、また急に体調が悪くなって休んだりと、周囲のスタッフに迷惑ばかりかけてます。
入院して治療を続けてますが、この先、いつ解雇を言い渡されるか、不安しかありません。有給休暇はすぐに使い果たし、欠勤ばかりです。
病気を抱えた人が収入の心配なく、気兼ねなく、入院や治療が出来るような会社、ありませんか。
完治はしてませんがなんとか社会復帰はしてます。
色んな症状が出るしそれを検査するとなんでも無い!
当事者でないと解らない痛みや辛さ
薬の多さ治療法の未確立
難病未認定
良い事何も無いけど病気負けないようにしましょう
必ず悪用する奴が出て来るのは目に見えてる。
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